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ルーちゃんは強い!

 ルーは、月を重ねるごとに、年を重ねるごとに、強くなっていきました。

その1
 5歳と半年の頃、ルーとつとむで、おもちゃの奪い合いをしていたことがあります。かみかみに最適の、段ボールの「切れ端」です。
 1日目、ルーがピアノの下のケージにもぐって「切れ端」で遊んでいたら、ケージの外でつとむが「ウ―」と唸っています。私が構わずピアノを弾き続けていると、「してやったり」という顔をして、つとむが「切れ端」を口にくわえてピアノの下から出てきました。
 2日目は、悠然とソファーの上で、ルーが独り占めして遊んでいました。
 3日目。ルーが「ヒーン、ヒーン」と泣いているので、どうしたのか見に行くと、ソファーの下の奥の方に「切れ端」が入ってしまい、前足をかいて取ろうとしても取れないのです。私が手を伸ばして取ってやると、またソファーの上で悠然とかみかみして遊び始めました。
 やれやれ、と思ったのもつかの間、私がパソコンをいじっている合間にふと見ると、今度はつとむが、ソファーのすぐそばで、かみかみしていました。終わりのない奪い合い?いや、終わりはもうすぐそこまで。「切れ端」は、間もなく、跡形もなく消え去るでしょう。

その2
 6歳と3カ月の頃。いつもはナナが私の腕枕で夜眠るのですが、朝目が覚めたら、腕枕で寝ていたのは、なんとルーでした。ナナはル―に押しやられ、お蒲団からはみ出て、腕枕の上方に寝ていました。

その3
力では、体の大きなつとむには勝てないルーです。ところが、ある時2匹が取っ組み合いをしていると、気迫でルーが勝ったのです。つとむがしおしおと、尻尾を丸めて、ルーから離れていくのです。

 ナナに負け、つとむに負け、いじけていたルーですが、3歳ころから自己主張をし始め、去年は出来なかったことが今年は出来るようになり、ということを繰り返し、年々自己主張は強くなり、やがて、つとむを「ウー」と威嚇すると、つとむが怖くて固まってしまうほど、ナナがル―に遠慮するほど、強くなっていったのです。

 篤志の方々のご寄付により、フォルテピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器



 





「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。