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告げ口屋ルーちゃん

その1
 ある朝リビングへ降りて行くと、ルーが椅子の下にもぐって、盛んに尻尾をパタパタ振っています。悪いことをして、「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝る時のしぐさ。あるいは、他の犬が悪いことをして「告げ口」する時のしぐさ。
 どうしたのかな?と近寄ると、昨日みんなで食べていたディズニ―ランドおみやげのポップコーンの容器が床にころがっています。ボジョレーヌーボーのおつまみに、皆が寝た後も私一人で食べていたチョコレート味のポップコーン。蓋つきの容器なので「大丈夫」と思ってテーブルに出したまま寝ました。
 床に転がっている容器は蓋が空いていて、中を見ると、ポップコーンが消えています。まだ相当の量が残っていましたが、一粒のかけらもありません!誰の仕業かな?と思って1匹ずつ口の臭いをかいでみました。ナナもルーもいつもの口臭。ところがつとむ君だけ、あまーいチョコレートの香り。とろけそうな香りに包まれていました。

その2
 朝、5:30に起きなくてはいけない日が度々あります。寝不足解消のため家の者が出かけた後、1時間ほどまた休みます。
 ある朝、家の者が出かけた後2度寝をしようと、私が2階への階段を昇り始めるや否や、怒涛のように3匹が駆け登りました。しまった!と思ってももう遅い。眼を飛ばし合って、プロレスが始まります。私が昼寝をしようと思うといつもこうなるのです。だから大抵は用心して、犬たちを柵に閉じ込めてから2階へ上げるのですが、すっかり忘れていました。
 ベットに潜り込むと、私のお蒲団の上で、噛みあってお団子のようにくっついて、上になったり下になったり、格闘を始めました。と、つとむがベットから落ちて障子の方に吹っ飛び、障子が破けます。「ダメ!」と言って叱ると、一瞬おとなしくなるのですが、今度は隣の夫のベットで戦い始めます。
 仰向けでは危ないので、うつぶせで蒲団を頭からかぶって、頑として昼寝の姿勢を取り続けました。30~40分ほど奮闘すると、やっとおとなしくなり、つとむはリビングに降り、少ししてまた2階へ戻ると私の体に背中をくっつけて休み始めました。やれやれ、これでやっと昼寝が出来る、と思ったのもつかの間、ルーが「大変だ!大変だ!」と私の顔をしきりになめ始めました。お蒲団を頭からかぶってもしつこく、お蒲団の隙間を狙ってなめようとします。
 何事!と思い、リビングに降りてみると、犬用のトイレが「大」と「小」で一杯、なお且つトイレでないところ、リビングの床の上にも「大」がころがっています。またしてもつとむの仕業。眠気などいっぺんに吹っ飛んでしまいました。

 生まれて数ヶ月は、痛くて辛い傷ゆえ、自分の存在を抹殺しようとするほど自己否定の強かったルーですが、家族全員の、とりわけS君とR子の渾身の愛を受け、自己肯定感の強いル―に変わっていきました。
 今では、意志が強過ぎ、すぐつとむのいたずらを告げ口するところが、やや問題ではありますが・・・・


ル―ちゃん、4変化

 篤志の方々のご寄付により、フォルテピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器



 





「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。