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はじめに

 2002年11月、ボーダーコリーのナナ(メス、生後3カ月)が、東京から車に揺られて我が家にやってきました。ケージの中で、しっぽを丸め、汚物にまみれて、夫が帰宅するまで約5、6時間、玄関に放置されていました。あまりの汚さ、臭さに誰も手がつけられず、大変なことはすべて夫に任せるという我が家の暗黙の了解のもと、夫に洗ってもらいきれいな体になってからでなくては、誰も触れられない!、という状況でした。

 こんな汚物にまみれる犬は絶対うちの外、という私の強い願いもむなしく、夫はその日から、毎晩ナナを腕の中に抱いて一緒に眠るようになりました。夫がまるで本当の母親のようでした。昼間、私と2人だけの時ナナは、私を見失うまいと懸命に後をついて歩き、台所でふと立ち止まって仕事をしていると、頭を私の足の甲に載せて、まあるくなって寝てしまいます。その足の上のふわふわ感がたまらず、いつも寄り添い、無心に甘えてくる様子があまりにもかわいく、私は家の中で一緒に暮らすことに心を許し始めました。

当時作った「ナナの歌」

       しっぽふりふり、しっぽふりふり
       食いしん坊の ナナ ナナ                   
       何でも食べたい ナナ ナナ                   
       おねだりするときはーあー、しっぽふりふり

       しっぽふりふり、しっぽふりふり
       甘えん坊の ナナ ナナ
       ふわふわ毛皮をすりよせて
       一緒にねんねが大好きー、生きたぬいぐるみ

       しっぽさげさげ、しっぽさげさげ
       こわがりやの ナナ ナナ
       かみなり、おおかぜ、大雨
       ガタガタ、ブルブル、助けてー、抱きしめ―てよ!

       しっぽふりふり、しっぽふりふり
       お散歩大好き ナナ ナナ
       あっちこっちくんくん ナナ ナナ
       探検しながらタッタカ―、今日も元気よ!
                     (駄作ですが・・・)

1歳の頃のナナ ナナと一緒に、ナナを囲んで、面白おかしく過ごしてきた日々。このナナのお話は別の機会に譲ることとし、我が家にやってきてからちょうど4年目の11月、今度はナナが母親になりました。我が家のリビングに急きょしつらえた簡易柵の中の、毛布で中が見えないように覆ったケージの中で、仔犬が5匹生まれました。

 しかも、夫が「今日は絶対生まれない」と言い残して仕事に出かけた日に。S君(長男、当時中3)は部活の練習と本番の日。残されたのは私とR子(長女、当時小3)の2人だけ。私は自分のお産しか知らず、R子はテレビでの知識しかありませんでした。

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 篤志の方々のご寄付により、フォルテピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器



 





「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。