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心の基調にある「悲しみ・苦しみ」

 私の心の基調にあるのは、「悲しみ・苦しみ」というマイナス感情。いつの頃からそうなのか記憶をたどっていくと、幼稚園に上がる前、ものごごろ着いた時からずっとである。重いマイナス感情から逃れたくて、様々なことを試み、現在に至っている。

 私にとっては現実とは思えない「夢のような幸せなひと時」が、たまにあるのだが、残念ながらそれはいつも長続きはしない。

 他の人はどうなのか、聞いたことは無いが、誰でもそうだとは思えない。心の基調が「喜び」である人もいることと思う。
 
 マイナス感情を払いのけるために、私は音楽にはまったのだろうか?

 心の流れに沿って、感情の流れに沿って、音楽は動いていく。苦しみ、悲しみ、喜び、怒り、敬虔な思い等々、音楽は様々な心の状態を湧き昇らせ、我々の心はそれに波長を合わせ、音楽の流れに沿って想いを吐露する。

 音楽はもちろん単に感覚的、感情的であるばかりではなく、非常に理知的、論理的でもある。しかし、心を動かす力が非常に大きいことを否定することは出来ないであろう。

 人が幸せであるかどうかは、経済的な安心感があること、やりがいのある仕事についていること、家族を得た満足感、などに依るかもしれないし、また、人生において自己実現が出来たことに依るかもしれない。

 しかし私の場合、たとえ自己実現できた人生であったとしても、心の基調にある「悲しみ・苦しみ」から逃れることは出来ないような気がする。自分は何てつまらない人間だろうと思う。

 人生における一瞬の「夢のような幸せなひと時」を記憶し、時に思い起こし、また音楽の中で思う存分マイナス感情もプラス感情も吐露し、そうやって何とか人生を乗り切っていくしかない、というのが正直なところである。

 ミミズの戯言である。

 

 

 篤志の方々のご寄付により、フォルテピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器



 







「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。