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ヴォルフガング・ツェラーオルガン演奏会
※コンサート会等はイメージです
2009年3月28日
ヴォルフガング・ツェラーオルガン演奏会
立教女学院聖マーガレット礼拝堂パイプオルガン奉献10周年記念のコンサートに行きました。
天井の木の梁が見事で、木の温もりの感じられる空間ですが、建物はコンクリート、木の梁の中もコンクリートと聞いて驚きました。冬は乾燥するので2日に1回30リットルの水で加湿するそうです。オルガンは湿気に弱いだけでなく、乾燥にも弱いのです。
Taylor and Boody Organ製作のこのオルガンを聴くのは初めてでした。仕様を見ると3段鍵盤+足鍵盤、43ストップもある大きなオルガンなのですが、演奏を聴くと、とても素朴で清楚でかつ美しい音色でした。
フレスコバルデイ、シャイデマン、ヴェックマン、J.S.バッハのオルガン曲、どれも、端麗で、品格があり、また音楽的構成も飽きさせず、どんどん引き込まれていき、ツエラーの世界を堪能することができました。最後にアンコールで“O Mensch ,bewein dein Sunde Gross”が演奏されましたが、折しもレントの時期、自分で弾いても(へたくそですが・・・)、また演奏を聴いても、どちらでもとても大好きな曲ですので、なおさら感無量でした。
演奏終了後、オルガンの傍に行き、説明なさっている方に、「見えているパイプはどの鍵盤のものですか?」と伺いましたら、「見えるパイプは鳴っていません。オルガンケースの中、またさらに奥のパイプが鳴るのです。」との答えに、驚きました。よく見ますとオルガンの両脇に隙間があり、その隙間からオルガンの後ろがパイプの部屋になっていることがわかりました。オルガンは礼拝堂聖壇の向かって右側の壁側に設置されていますが、オルガンの音は、オルガンまたオルガン脇の隙間から礼拝堂側に響いてきて、その鳴り響いてきた音がオルガンと向かい合う壁(聖壇の左側)に反射し、その反射してきた音が、礼拝堂全体に響きわたる仕組みとなっています。その反射壁の中には砂が入れられているそうです。残響は少ない空間ですが、オルガンと礼拝堂との難しい関係を見事にクリアし、押しつけがましくなく、わやらかく品格のある音色を鳴り響かせていました。
永田穂さんのアイデアだそうです。ずっと昔の私のオルガンの先生、岩崎真美子さんにここで久しぶりにお会いしましたら、そうおっしゃってました.。