オルガンホールを夢見て

獨協医科大学病院入院記 「カトちゃんと愉快な仲間たち」


2009年1月13日~18日 
 
獨協医科大学病院入院記
「カトちゃんと愉快な仲間たち」
 
 つまらぬ手術のため、でも全身麻酔になってしまいましたので、6日程入院しました。当初個室を希望していたのですが、あいにく一杯で6人部屋になってしまいました。プライバシーの確保ができないから「やだな~」と最初思っていたのですが、何日か過ごしているうち、気がついたら合宿状態、最高に楽しい日々を過ごすことができました。
入院当初、かづきちゃん(小学生)とあっきーがとても仲良しで(2人の年齢差20歳)、カーテン越しに聞こえるかづきちゃんの声がかわいくて、天真爛漫でいいなーと思いつつ、私は2人の間に入り難かったのですが、話を聴いているうち、別の部屋にもう一人仲良しのいることがわかってきました。この人がカトちゃんです(カトちゃんとかづきちゃんの年齢差55歳)。ある時、この仲良し3人組と急接近することができ、顔を合わせるたび、声を掛け合えるようになりました。
かづきちゃんが短い間小児病棟へ移ることになり、かわいい声が聞こえなくなり、あっきーが寂しそうに思えたので、私(のんちゃん、という昔の愛称が復活しました)が1階のスターバックスへ誘いましたら、私と同じ日に同室に入院したゆっきーも誘おう!同室のおばあちゃん2人にも注文を取って買ってきてあげようということになり、3人でいそいそと出かけ楽しくおしゃべりしながらコーヒーを愉しみました。
これを知った別室のカトちゃん、「私もいきたかった~!」というので、また夜スタバへ出かけることになりました。話はどんどん進み、新館の9階から日の出が見える、別の窓から富士山も見える、というので次の日さっそく6時に起きて「日の出見物大作戦」が始まりました。日頃の心がけが悪かったのか、東も南も西も厚い雲に覆われて、日の出の気配さえ感じられない空でした。
こんなことでは諦めない我々です。私の退院後も残りのメンバーで毎朝「日の出見物大作戦」は続いています。
大きな手術を控えている人、治りにくい病気を抱えている人、私より大変な人が多いですが、「カトちゃんと愉快な仲間たち」は最高に元気でした。最高齢のカトちゃんが一番元気で一番おしゃべりで、7~8割はカトちゃんがしゃべってます。何をそんなにしゃべるのかといえば、愛犬の話、演歌を習ってた話、同居しているお孫さんの話等々話題はつきません。でもあまり話さないゆっきーにつっこんでみたら、キンキキッズの筋金入りの大ファンで、関西から北海道まで追っかけをやって、その手の話題で話が止まらなくなりました。私が抜糸で通院して、スタバでおしゃべりした時知ったことですが、あっきーは仕事の後ビールを愉しむために一生懸命働いて、おつまみの数の子に恋してる、のだそうです。私はパイプオルガンに恋していて、夫よりパイプオルガンの方がずっと上なのですが、あっきーは数の子より上か、数の子の次くらいの人が現れないと、結婚はできないかも・・・・・とのことでした。人それぞれ、色々な思いで生きているのだな~と思いましたが、何かひとつでも、好きなこと、恋してしまっていることがあると、元気に生きられるのだ!と思いました。
退院後はみんなで会おうね!ということにもなりました。
獨協医科大学病院はとても快適でした。看護婦さんがとても良いです。手術後とても辛いことがあって私が大騒ぎをしていたのですが、いつも誠意を尽くして対応して下さいましたし、収まってからもやさしく言葉かけをして下さいました。また勉強のために、関わることになった医大の5年生にも感心してしまいました。口下手で朴訥で冴えない感じの人なのですが、手術前の不安を色々訴えましたら、とても適切な、合点のゆく考え方を教えてくれました。物事を深く、適切に考えることのできる人でした。
日の出の見える9階からの眺めはとても気持ちよく、また林の隣に広いヘリポートの空間も見えました。獨協医科大学病院は林に囲まれ、緑豊かな敷地の中にあります。病気であるとか、傷があるというだけでも辛いのですから、入院生活に少しでも、楽しいこと、うれしいことがあると、また美しいものに出会えたりすると、前向きに生きようという思いが生まれやすいと思いました。また、誰か他の人と楽しいこと、うれしいこと、美しいことを共有すると、楽しさ、うれしさ、感動は周りの人にも広がっていく、とも思えました。
そこでふと思いついてしまったのです。思いつくと、どんどん想像がふくらんでしまうのが私の癖です。頭の中で思っているだけなら誰にも迷惑はかけないし、罪はないと思うので、想像をふくらませることだけはお許し下さい。実はオルガンホールを獨協医科大学病院に隣接して造りたい!と思ってしまったのです。元々、西方病院の隣接地に造り、入院中の方々も聴けるようなものにしたい、と思っていました。でもその敷地では整地に費用がかかりすぎるのと、雰囲気として緑の中の方が良い、という理由で、中新井家の敷地内、木々の中に、メンテナンスの楽な小さなホールを造ろう、という案が浮上し、現在縮小案のホールの構想を練っている真っ最中なのです。
緑の中病院の隣り、小児病棟もあり(わらべうたで遊んだり、きれいな、あるいは楽しい音楽を聴かせたいです)、また、宇都宮市、西方町(車で10~15分)、旧石橋町、都賀町、栃木市から車で行きやすい場所にあり、東京からスペーシアで栃木乗り換えの連絡も、西方町よりずっと良いです。西方町にあるより、ここにある方が人も集まりやすいと
思いました。これをお読みの皆様いかがでしょうか?
さて懸案の「日の出見物大作戦」、初日からず~っと雲の多い日が続いていたのですが、25日、仲間みんなの思いを背負ってあっきーが念願を果たし、26日、あっきーとかづきちゃんが更に美しい画像撮影に成功しました。獨協医科大学病院新館9階からの日の出、その美しさを皆様も一緒にご鑑賞ください。我々よりずーっと前から日の出見物に挑んでいたおじちゃん達の明るい声「毎日拝んでいたら、願い事が何でも叶って健康になっちゃいそうだよねー!」もお届けします。
「カトちゃんと愉快な仲間たち」は不滅です。メンバー紹介:カトちゃん、のんちゃん、ゆっきー、あっきー、かづきちゃんの5名です。まだまだ病気と戦わなくてはならない人もいます。どうぞ皆様お祈りください。


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フォルテ・ピアノ
 篤志の方々のご寄付により、フォルテ・ピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器

 

 
 

館長のコーナー
 

まず、西方音楽館 木洩れ陽アップルパイ を販売します。

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「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。

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リンク
日本モーツァルト愛好会 日本モーツァルト愛好会

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*ヒューテックの商品は、西方音楽館でも販売いたします