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クーとの再会
クーは、ペットショップのガラスケースに1週間ほど入ったのち、買われて行きました。夫はその間、そーっと見に行ったそうですが、私は涙が溢れそうで行けませんでした。
買われて行った直後、ペットショップのオーナーが替わり、買い手の情報を得ることが困難となりました。
どこの、どんな人に飼われているのか?・・・・スキンシップが大好きで、抱っこされるのが大好きな甘えん坊なのに、庭の隅の方につながれ、散歩もろくにしてもらえず、泥まみれになって、寂しい思いをしているのではないかしら?と頭に思い描くのは悪いことばかり。心配で心配でなりませんでした。
どういうルートでか、夫がやっと飼い主を突き止めたのは、1年も過ぎた頃でした。
我が家に飼い主ご夫婦とクーがいらして下さる、とのご連絡をいただいた時には、チャーリーがうれションした時みたいに、私は狂喜してしまいました。
およそ1年ぶり出会うクー。我が家のリビングに入ると、飼い主のご主人にしがみつき、抱っこしたまま、下へ降りようとしません。生まれた場所なのに、大運動会をした場所なのに、すっかり忘れてしまったようでした。
今の名前はポコちゃん。上品できれいな顔立ちの、でも繊細で少し臆病な犬に成長していました。
我が家の子ども達、ナナ、つとむ、ルーも一緒に、少し離れた公園に遊びに行きました。
ポコちゃんは、母犬、兄弟犬のこともすっかり忘れ、我が家の3匹と子供達の激しい遊びに恐れをなして、一緒には遊べませんでした。挙句の果てに、つとむがポコちゃんに喧嘩を吹っ掛けて、取っ組み合いを始めてしまいます。すっかりおびえてしまったポコちゃん。ポコちゃんにとっては、さんざんな、最低な1日だったことでしょう。
でも、良い飼い主さんに飼われ、大事に育てられていることが分かり、私たちの方は一安心、やっと心配から解放されました。