▼dress設定【dress14】
軽井沢のヴィラ・セシリアにて
2008年8月9日
軽井沢のヴィラ・セシリアにて
「魅惑のバロック・ヴァイオリン」ヴァロック・ヴァイオリン
桐山建志、オルガン:和田純子を聴きました。オルガンはガルニエのポジテイフです。
ヴァイオリンの演奏が始まるやいなや、一体この響きのなかでどうやって音楽を作り上げるのだろう?!という思いで心がいっぱいになりました。響きすぎる空間なので音の連なりが大きな固まり、へたをするとおだんご状態になってしまうのです。でも聴き進んでいくうち、疑念や不安は吹き飛んでしまいました。残響が長すぎるこの空間の響きを上手に利用して、大きな音楽を作り上げていきました。バッハのシャコンヌは圧巻で、オルガンの響きに全身を包まれている時の感覚と同様の、巨大な音楽の宇宙の中心に身を置いているようでした。
オルガンも一つ一つの音を切り離し、大切な音を強調し、響きのおだんごにならない工夫がなされていました。
ここでひとつの教訓を得ました。最適の響きを求めている私ですが、どんな響きの状況においても、それをうまく利用するという方向性であるなら、良い演奏、良い音楽というのは可能であるということです(楽器によっては本当に不可能ということもありえますが)。
ヨーロッパの大聖堂のような響きのこの空間には、イタリアのオルガンが合う、と和田純子さんがおっしゃっていました。イタリアのオルガン設置後がまた楽しみです。